田中(宏明)我塾
議論先導者:田中宏明(STUDIO MEMBRANE デザイナー・北大オープンエデュケーションセンター 博士研究員)
田中宏明
STUDIO MEMBRANE デザイナー|北海道大学オープンエデュケーションセンター 博士研究員|慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程在籍|修士(芸術教育)|学士(プロダクトデザイン)|人間が何かを生み出す創造と学習のプロセスを解明するために、自らもつくり続け、学び続けている。
https://www.studio-membrane.com
わたしたちが、なにかを生み出すとき、その原動力になるものとは?
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フランスの詩人ポール・ヴァレリーは、まいにち夜明け前に起きてコーヒーを淹れ、自らの精神の日記である『カイエ』を書き続けました。それは、実に50年間も続けられました。その『カイエ』のなかで、ヴァレリーは次のように書き記しています。
「わたしは決して作品を構想しない。作品はわたしにとって、本当の意味で重要ではない。わたしの興味をそそり、興奮させ、悩ますのは、作品を作る⼒である」 ここには、最も大切なのは内的作業であり、作品はその知的応用にすぎないとする彼の意志が込められています。
たしかに、何かを生み出そうとするとき、わたしたちの内側でうずくものがあります。言葉ではとらえがたい、可能性そのものとでもいうような、けれど実感に結びついたうずきが。 内的作業とは、このうずきが消えてしまわないうちに、自らつかまえにいくことなのでしょうか。はたして、内的作業とは何か? そして何より、「作品を作る力」とは何か? そこで、このヴァレリーの問いを引き受けながら、わたし自身の制作活動や自己省察の経験もふまえながら、次の問いを探りたいと考えています。 Q. わたしたちが、なにかを生み出すとき、その原動力になるものとは何か? そして、それはどのように再結晶化されるのか?