佐田我塾

議論先導者: 佐田宗太郎(さだ そうたろう)

佐田宗太郎(さだ そうたろう)
京都大学大学院総合生存学館博士課程在籍.NPO法人Mielkaにてjapanchoice.jpのコンテンツ制作,京都市立西京高校の探究授業にて高校生の研究指導,株式会社talikiにて社会起業家育成事業に携わる.広島大学理学部在籍時には蟻の行列シミュレーションやHeisenbergモデルを扱い,現在は世界平和の実現可能性の探究に向けて,ネットワーク科学を用いた世界の価値循環の研究と行なっている.そのほかに,外務省プログラムにでミャンマー渡航,広島大学にてボランティア連合の設立を行った.

 

便利さは学習を阻害するか?UIとUXを考える

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学習を,反応から定義し,性格や価値観の変化に至るまで段階で示したのが,グレゴリー・ベイトソンでした.彼は学習理論の観点から,イルカが技を覚える過程や,アルコール依存症患者が依存から脱却する方法,禅の指導者が行う禅問答について説明しました.話は変わって,近年はご存知の通り,インターネットを利用したビジネス,Webを主体とするビジネスが主流となっています.皆さんもNetflixやAmazon,GoogleやYahoo!,SNSなどを用いているのではないでしょうか.現代が情報過多であり,深く考える機会が失われている,と指摘する声は多いですが,ここではUX(ユーザーエクスペリエンス)の観点で議論をしたいと思っています.UXの向上,つまり便利さが学習を阻害しているという視点から,学習にも適切なUXはどのようなものであるのかを考えたいです.ベイトソンは二重束縛(ダブルバインド)な状態が高次の学習段階に進むために必要であるとしましたが,UXの向上は,そのような束縛状態という不快な体験を減らすことを目的に取り組まれています.ビジネス界ではいかにUIを良くしてUXを向上させるか,は基本理念のように浸透してしまっていますが,これはユーザーの学習そのものへの影響以上に,より高次の学習への意識に悪影響があるのではないか,と思っています.わたし自身,認知心理学や学習心理学,教育学などの専門ではないため,専門的な観点からではなく,私たちが普段使っているWebサービスでの体験から,学習について考える時間になれば良いと考えています.ベイトソンの学習理論については,当日わたしから簡単な説明を行います.