満島我塾
議論先導者: 満島てる子(女装家: 7丁目のパウダールーム店長・さっぽろレインボープライド実行委員) 

満島てる子(みつしま てるこ)

1990年三重県桑名市生まれ、北海道札幌市在住。本名は杉山和希。オープンリーゲイの女装子として、多様性を認め合う社会を実現すべく活動中。北海道大学文学研究科修了(古代ギリシアの思想文化が主専攻)。女装サロン「7丁目のパウダールーム」の店長であり、札幌市にてLGBTプライドパレードを開催している団体「さっぽろレインボープライド」の副実行委員長を兼任。大学などでのセクシャリティに関する講演を行いながら、HBC「Sitakke」にてコラムの執筆も担当している(https://sitakke.jp/)。札幌のアンダーグラウンドカルチャーにおいては、「てるまゑ・ノヱビア」という名でドラァグクィーンとしてのパフォーマンス活動も行っている。

 

性の多様性について 満島我塾第2回(2022/08/04)

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性の「多様性」を実現するという、LGBTアクティビズムなどの目指すゴールは、実は非常に多義的で、様々な側面から眺めるべきものなのかもしれない。今回は「LGBTと言葉」「セックスワーク」の2つの論点から、以下のような問いに取り組みたい。


(1)LGBTかSOGIEか

LGBTという語については「周縁化をもたらす」と、その排他性がしばしば指摘されるが、ではSOGIEのような「どんな人にも当てはまる属性」が語られるにふさわしいのか。


(2)性の「健全さ」とはなにか

セックスワークについて「不健全だ」と述べることを憚らない人がいるが(例として「セックスワークにも給付金を」訴訟の国の態度を取り上げたい)、そもそも性の「健全さ」とはなにか。それはどのようにして作られ、わたしたちの意識に影響を及ぼしているのか。

性的マイノリティと“多様性”とは何か 満島我塾第1回(2021/10/10)

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「LGBT」や「SOGI(E)」といった単語を見かける機会は確実に増え(語彙の認知率は9割を超えるとも言われています)、レインボーの何かが現れれば“多様性”の象徴なのではと、人々が暗に想定しかねない世の中になってきました。かといってそうした世情が、当事者へのサポートに直ちにつながっているとは思えません。この日本という国では、同性婚に関する歴史的勝訴がニュースになってから年をまたがずに、LGBT差別禁止法案に関しお粗末で悲惨な展開が繰り広げられるなど、性的マイノリティを巡る社会情勢は激動の最中にあります(オリパラもそれを象徴するひとつの大きなイベントとなったかと思います)。

 

どんな社会であれ、その構造を変えるのは人の“行動”です。プライドパレードの開催や、行政や教育機関へのアタックなど、当事者のアクティビストたちは様々な“行動”を起こし、それによって差別の存在、既存の社会構造から生まれる暴力性を訴えかけてきました。私の関わってきた「さっぽろレインボープライド」も、そうした“行動”のための場のひとつです。ですが、“行動”と同じぐらい大切なのが、自分と誰かをつなぎつつひとつの認識形成・コミュニティ醸成を導くような“語り”だと私は考えています。こちらの我塾では、皆さんとそのような“語り”の時間を共にできればと思います。

 

LGBTの市民権利獲得運動の歴史などをご紹介もしつつ、以下のような諸テーマについて、回をまたぎながらでも意見交換ができれば幸いです。

  

  • “多様性”とは何を指すのか(この語の示す内実、描写する事柄はもちろん、“価値語”としての振る舞いについてもスポットを当てていきたい)

  • “マイノリティ”であるとはどういうことか(LGBTに関する知識的な話題をきっかけにはするが、それにとどまらない“マイノリティ”性そのものについても話したい)

  • “ジェンダー”“セクシュアリティ”の何が問題なのか(TERFなどへの眼差しも忘れずに、皆さんの人生の“語り”として、性というものの壁や障害に出会った話を、ライフヒストリ―のかたちでを取りつつ聞く機会も聞けれ設けられれば嬉しい)